教科書に登場する科学者は、白人男性が多いという調査結果があります。 調査によると
米国の生物学の教科書では、女性の科学者1人に対して7人の男性が取り上げられています。
また、黒人女性は分析されたどの作品でも一度も取り上げられていません。
現在のペースでは、米国で生物学を教えるために使用されている本が読者の多様性と一致するようになるには、何世紀もかかるだろうと研究者は言います。
「どの教科書にも、例えば黒人の女性科学者は載っていませんでした」と、米国アラバマ州オーバーン大学のCissy Ballen博士は述べています。
本研究では、米国で科学や医学を学ぶ学部生のために使用されている現代の生物学教科書7冊に掲載されている1,000以上の科学名を分析しました。
チャールズ・ダーウィンやグレガー・メンデルなどの歴史上の人物から、ジェーン・グッドオールなどの現代の科学者まで、さまざまな科学者が登場しました。
全体では、登場した科学者のうち13%が女性で、6.7%が黒人、アジア人、少数民族の出身者でした。 “
近年、特に女性とアジア系男性に関しては、いくつかの改善が見られたと研究者は述べています。
それにもかかわらず、描かれている科学者はターゲットとなる読者を代表しておらず、特にアジア系およびヒスパニック系の女性では、黒人女性はまったく表現されていませんでした。
教科書の出版社は、「歴史を正確に描写することと、多様な学習者を反映した現代科学を紹介することのバランスを取ることが課題」だとしています。
インペリアル・カレッジ・ロンドンの平等・多様性・インクルージョン部門の名誉研究員であるラフマ・エルマディ博士は、教科書などの学習教材に表現されている層は、白人や男性が多く、そのクラスの生徒を反映していないことは以前から知られており、これは英国でも同様だと述べています。
「優秀な科学者をまた一世代排除したくなければ、こうした格差に対処するための行動を開始する必要があります」と彼女は述べています。
生物学は、物理学などの他の科学分野に比べて、比較的ジェンダーが多様です。
- 物理学のジェンダーギャップをなくすには、何世代もかかるでしょう
これまでの研究で、科学の分野でキャリアの階段を上る女性の数は「残念ながら少ない」ことがわかっています。
この研究は、英国王立協会のジャーナル「Proceedings B」に掲載されました。