魚油は、市場で最も人気のある抗炎症サプリメントの1つですが、それには理由があります。
魚油の摂取は湿疹に効果があるかもしれません
魚油サプリメントの湿疹への効果を調査したいくつかの研究では、有望な結果が得られています。
魚油サプリメントと湿疹に関する3つの研究を含む2012年のレビューでは、魚油による治療は湿疹のある人の生活の質を有意に改善し、かゆみを改善することがわかりました(11)。
ただし、魚油が湿疹の代替治療として推奨されるべきかどうかを検証するには、よくデザインされた大規模な研究が必要であることを研究者たちが認めている点は重要です(11)。
2002年に行われた、入院中の湿疹患者22人を対象とした古い研究では、魚油の点滴療法は、大豆油の点滴療法と比較して、湿疹の重症度を有意に改善することがわかりました(12)。
また、中等度から重度の湿疹を持つ人を対象とした16週間の研究では、オメガ3系脂肪に加え、オメガ6系脂肪、亜鉛、ビタミンE、マルチビタミンを毎日補給することで、80％以上の参加者で湿疹の重症度が50％以上減少したことが実証されました（13）。
ただし、オメガ3脂肪酸はこの治療法の一成分にすぎず、単独で使用した場合に同じ効果が得られたかどうかは不明であることに留意してください。
動物実験でも良い結果が出ています。 げっ歯類を対象とした研究では、湿疹のあるラットに魚油を30日間経口投与したところ、皮膚の水分量が大幅に改善し、引っ掻き行動が減少したという結果が出ています(14)。
さらに、マウスを対象とした研究では、DHAとEPAを投与したところ、湿疹のスコアが減少し、炎症性タンパク質や免疫グロブリンE（IgE）のレベルが低下したという結果が出ています。
IgEは、アレルゲンに反応して免疫系が産生する抗体で、その値が高いと湿疹に関連することがわかっています(15, 16)。
すべての研究が肯定的な結果を示しているわけではなく、魚油が湿疹のある人にどのような効果をもたらすかをよりよく理解するためには、今後の研究が必要であることを覚えておいてください。
魚油は乳幼児や子どもの湿疹の発症を防ぐ可能性がある
妊娠中に魚油のサプリメントを摂取することで、乳幼児や子どもの湿疹の発症を防ぐことができるという研究結果があります(17)。
ある研究では、妊娠25週目から授乳3〜4カ月までの妊婦に、EPAとDHAをそれぞれ1.6gと1.1g、毎日平均して補いました。
その結果、サプリメントを摂取した母親の乳児は、対照群と比較して、生後1年間の湿疹のリスクが16%低下したことが示されました(18)。
別の研究では、妊娠21週目から出産までに魚油からDHAとEPAを合わせて900mg摂取した女性の乳児は、プラセボを摂取した母親の乳児と比較して、湿疹のリスクが5%低下しました(19)。
さらに、3,175人の子どもを対象とした8つの研究のレビューでは、妊娠中に母親が魚油を補給した生後36カ月までの乳幼児の湿疹が、母親が補給しなかった場合と比較して明らかに減少したことがわかりました(20)。
しかし、すべての研究で有益な効果が観察されたわけではなく、ある研究では、妊娠中に魚油を補うことで子どもの湿疹リスクが高まる可能性があると指摘されています(21)。
小児の湿疹を軽減する手段として妊娠中の魚油サプリメントを推奨するには、さらなる研究が必要であることは明らかです。
まとめ
魚油を補うことで、乳幼児や子どもの湿疹の症状を改善し、湿疹のリスクを減らすことができるかもしれません。 しかし、さらなる研究が必要です。