Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は,7回膜貫通型受容体,ヘプタヘリカル型受容体とも呼ばれ,細胞外物質を結合し,その物質からのシグナルをGタンパク質(グアニンヌクレオチド結合タンパク質)と呼ばれる細胞内分子に伝達する細胞膜に存在するタンパク質である。 GPCRは、哺乳類、植物、微生物、無脊椎動物など、幅広い生物の細胞膜に存在する。 GPCRには数多くの種類があり、ヒトのゲノムには約1,000種類のGPCRがコードされており、光、ホルモン、アミン、神経伝達物質、脂質など、さまざまな物質に反応する。 例えば、エピネフリンと結合するβアドレナリン受容体、プロスタグランジンと呼ばれる炎症物質と結合するプロスタグランジンE2受容体、目の桿体細胞からの光信号に反応するレチナールと呼ばれる光反応物質を含むロドプシンなどが挙げられる。 GPCRの存在は、1970年代に米国の医師・分子生物学者であるロバート・J・レフコウィッツによって明らかにされた。